野上保之 教授

研究内容

研究分野

ものづくり技術(機械・電気電子・化学工学)/ 通信工学 / 情報セキュリティ

主要研究テーマ

1. 暗号理論(Cryptography)

現代社会において不可欠となった情報セキュリティの根幹を支える暗号技術の研究開発を行っています。

楕円曲線暗号(Elliptic Curve Cryptography)

  • 楕円曲線上の離散対数問題に基づく公開鍵暗号
  • 高速演算アルゴリズムの開発
  • 組込みシステムへの実装最適化

ペアリング暗号(Pairing-based Cryptography)

  • 双線形写像を用いた高機能暗号
  • ID ベース暗号、属性ベース暗号の実装
  • 効率的なペアリング演算手法の開発
  • 最適曲線パラメータの探索

準同型暗号(Homomorphic Encryption)

  • 暗号化したままデータ処理が可能な暗号技術
  • クラウドコンピューティングにおけるプライバシー保護
  • 実用的な準同型暗号の実装と評価

2. ポスト量子暗号(Post Quantum Cryptography)

量子コンピュータの実用化に備え、量子コンピュータでも解読困難な暗号技術の研究を行っています。

  • 格子暗号(Lattice-based Cryptography)
  • 符号ベース暗号(Code-based Cryptography)
  • 多変数多項式暗号(Multivariate Cryptography)
  • NIST標準化プロセスへの対応

3. IoT セキュリティ(IoT Security)

IoT時代における安全な通信とデータ保護の実現を目指しています。

  • 軽量暗号(Lightweight Cryptography)の設計と実装
  • IoTデバイスの認証プロトコル
  • 組込みシステムへのセキュリティ実装
  • リソース制約下での暗号処理最適化
  • CAN通信、MAVLink通信のセキュリティ

4. AI セキュリティ(AI Security)

AI技術の安全性と信頼性を確保するための研究を進めています。

  • 機械学習モデルへの攻撃と防御
  • プライバシー保護機械学習
  • 深層学習を用いたサイドチャネル攻撃
  • AIによる侵入検知システム

5. 乱数生成(Random Number Generation)

暗号技術の基盤となる高品質な乱数生成器の研究開発を行っています。

  • 物理乱数生成器(TRNG: True Random Number Generator)
  • リングオシレータを用いた RNG の設計
  • 擬似乱数生成器(PRNG)の評価
  • 乱数の統計的評価手法

6. ハードウェアセキュリティ

暗号ハードウェアの安全性評価と対策技術の研究を行っています。

  • サイドチャネル攻撃と対策
  • 電力解析攻撃(DPA)への耐性評価
  • 故障利用攻撃(Fault Attack)対策
  • セキュアな暗号プロセッサの設計

主要研究プロジェクト

科学研究費助成事業

  • 「暗号技術に対する機械学習や深層学習を用いた安全性評価のための攻撃手法の提案」
    基盤研究(C)(2021年4月~2024年3月)
  • 「ICTおよび暗号技術を駆使した医療情報セキュア管理システムの構築」
    挑戦的研究(開拓)(2019年6月~2023年3月)
  • 「IoT時代の遠隔操作型・自律型移動システムにおける安全かつ高信頼な通信の実現」
    基盤研究(A)(2016年4月~2019年3月)
  • 「楕円ペアリング暗号に対する共役有理点ノルムを用いた分散並列攻撃法の開発と実証実験」
    基盤研究(B)(2013年4月~2016年3月)

産学連携プロジェクト

  • 企業との共同研究による実用的セキュリティ技術の開発
  • 自動車産業向けセキュリティ技術の研究
  • 医療情報システムのセキュリティ強化
  • 農業IoTシステムのセキュリティ実装

研究室の特色

関連リンク